ピタゴラス数

ピタゴラス数とは

直角三角形において、直角三角形の直角をはさむ二辺の長さをそれぞれa、b、斜辺の長さをcとすれば、

+b=c

が成り立ちます。中学3年生で習うピタゴラスの定理(三平方の定理)です。

ピタゴラスの定理の逆も成り立ちます。


三角形の三つの辺の長さをa,b,cとするとき、もしその間に、

+b=c

という関係が成り立つならば、この三角形は、cを斜辺とする直角三角形である。


このことから、ピタゴラスの定理が成り立つ数の組を、ピタゴラス数と呼んでいます。

 

奇数の和と平方数の関係

自然数で、1,3,5,7,9,…,2n-1は、奇数になります。

その奇数を、1から順に加えていくと、次のようになります。


1=1

1+3=4=2

1+3+5=9=3

1+3+5+7=16=4

1+3+5+7+9=25=5

1+3+5+7+9+11=36=6

……


不思議なことに、奇数の和は、平方数(1,4,9,16,25,36‥)になります。平方数とは、自然数の二乗で表される整数です。ピタゴラスは、この平方数のことを四角数と呼びました。


このように、連続する奇数を加えることで、平方数を続けてつくることができます。

奇数を、1から順に加えた結果は、いつでも平方数になります。

1+3+5+7+…(2n-1)=n

平方数から構成するピタゴラス数

ピタゴラスは、奇数の和である平方数をもとに、ピタゴラス数を下記のように求めていきました。


1~7と1~9の奇数の和を考えます。

1+3+5+7=4………①

1+3+5+7+9=5…②

①を②に代入すると、

+9=52  →②の式の1+3+5+7を4²にする

+3=52 →9=3²にする

これにより、ピタゴラス数(3,4,5)が得られます。


1~23と1~25の奇数の和を考えます。

1+3+5+…+23=12………①

1+3+5+…+23+25=13…②

①を②に代入すると、

12+25=132  →②の式の1+3+5+…+23を12²にする

12+5=132  →25=5²にする

これにより、ピタゴラス数(5,12,13)が得られます。


この方法を続ければ、いくらでもピタゴラス数をつくり出すことできます。

例えば、(24、7、25)(40,9,41)、(60,11,61)、などです。


24+9=25

40+9=41

60+11=61

84+13=85


まとめ

ピタゴラス数は、奇数の和である平方数をもとに構成することができます。

例えば、よく知られる(3,4,5)は、次のように導かれます。

1+3+5+7=4………①

1+3+5+7+9=5…②

①を②に代入すると、

+9=5

+3=5

この方法で一般的な求め方は、

自然数:n a=2n+1、b=2n+2n、c=2n+2n+1

となります。

より一般的な方法は、異なる自然数m,nを用いて次のように表されます。

a=m-n,b=2mn,c=m+n

 

※ピタゴラス数は入試問題にもよく出題されます。最近では平成28年の国立高校の推薦入試問題で出題されています。