一見、同じように見える過去問も、実をいうと、進化していることをご存知でしょうか?
はっきり申し上げて、入試問題は、進化しています。
日本にいらっしゃる学者は、非常な危機感を持っています。
そしてその非常な危機感を手を変え品を変え、メッセージを繰り出していきます。
当然のごとく、同パターンの入試問題では、塾や予備校に看破されていくので、名門校は、雪崩のごとく新しい考え方の学者の問題を出題せざるを得ません。
たとえて言うなら、今現状においては、コロナについて世界は非常に困難に格闘していますが、2019年度桜蔭中学の入試問題においての社会②には、下記のメッセージについての問いになっています。
「先進国では、多くの感染症が身近な病気でなくなっていきます。天然痘も根絶され、人類は感染症を克服できるのではないかと思われたこともありました。
しかし、20世紀後半にも新たな感染症は見つかっており、人類の大きな脅威となっています。
2015年には、ジカ熱がブラジルなどアメリカ大陸で流行し、2016年のオリンピックの開催が危ぶまれたほどでした。
また、発展途上国では、今も多くの人が感染症でなくなっています。
発展途上国の感染症は、薬を開発しても利益につながらないため、対策がおろそかにされがちです。
エボラ出血熱や新型インフルエンザなど、感染症は私たちに今も大きな影響を与え続けています。
感染症は決して過去の病気ではなく、今日の私たちが向かい合っていかなければいけない問題です。」
上記の文章は、コロナ前の文章です。
研ぎ澄まされた感覚と、徹底的に問い続ける能力は、ことが起きえる前に予想することもできます。
「入試問題は、進化している」。このことを肝に銘じて、指導にあたりたいと思います。