2019年 日比谷高校 英語 ②長文会話文

This station looks very old. The London Underground has a long history, doesn’t it? When did it start running?

「この駅はとても古そう。ロンドンの地下鉄は長い歴史があるんですよね。いつ開業したんですか?」

2019年の日比谷高校 英語長文読解 会話文では、ロンドンの地下鉄についての歴史、建設の仕方が描かれています。

中学生にとってあまり聞きなれない「カットアンドカバー工法」や、「シールド工法」についても説明されています。

英語の長文を読む場合、「語彙力」、「文法力」、「語法力」も大切ですが、ちょっとした「バックグラウンドの知識」も重要となります。

地下鉄の歴史は、19世紀においてイギリスのロンドンから始まりました。

1863年1月10日に、メトロポリタン鉄道のパティントン駅~ファリンドン駅間の約6キロが開通しました。

一番のポイントは、当時のイギリスのロンドン市街は建物が密集しており、地上に鉄道が建設できなかったため、地下鉄という方法論をテムズトンネルをヒントにして考案されたことです。

しかし、1905年に電化されるまでは、蒸気機関車を使用していたため、トンネル内や駅構内の換気が何よりも考えなければいけないことでした。

ロンドン地下鉄の背景には「電化」という20世紀の最大の発明が大きくかかわっているのです。

日比谷高校入試においても、この長文問題の背景にこの電化(電気)というポイントが、高校生の生徒と友人の父親との会話という形で、歴史を紐解くように会話されていいます。

「ロンドン」、「地下鉄」、「蒸気から電化」、「トンネルの工法について」、文章の骨格にはキーワードと並ぶ教養知識が問われています。

 

ここで少し東京においての地理についてお話させていただきます。

下記に書いていることは、私たちが最も伝えたいことです。

それは、「経験の豊かさ」ということです。

国立高校のある多摩地域においては、「地下鉄がない」ということについて、少し語らせていただきます。

自校作成問題を採用している「進学指導重点校」の日比谷高校、西高校、国立高校の最寄り駅を考えてみると、日比谷高校においては「永田町駅」、「赤坂見附駅」、「溜池山王駅」、西高校は「久我山駅」、国立高校は「国立駅」です。

西高校のある杉並区は丸ノ内線という地下鉄がありますが、国立高校は多摩地域なので全く地下鉄がありません。

多摩地域の生徒たちが日比谷高校の問題を解くにあたって、こういったことも面白い側面だと思っております。

今日は、「皇居に行ってみよう」とか、「上野の森美術館に行ってみよう」とか、「富岡八幡宮に参拝しに行こう」というきっかけでもって、東京の東地域の「交通システムや文化」に接触することによって、「自己の経験が豊か」になるのではないかと思います。

机の上の勉強ばかりでなく、文化や歴史事象物に対して「歩いて感じる」、「触って感じる」といった経験が、入試問題においての「解く力」を増強させていくのです。

今日はこんな感じで。