立川高校においては、2022年度から創造理数科を発足することによって、非常に理数科教育に力をいれています。 そのため、今年度の数学においては「考える問題」が頻出されました。多摩地域において都立高校の雄、国立高校の問題と立川高校の難易度は同じになってきています。それでは今年度の立川高校の数学の説明をさせていただきます。 |
2023年の立川高校入試問題 数学で最も難易度が高かった問題は、「3平面図形 問2 証明問題」です。
理由としては2点挙げられます。
①証明内容が「DP+PF=GH」と線分の長さの和が等しいことを証明する問題 ②証明の際に補助線を引く(ひらめきが大切です) |
①証明内容が「DP+PF=GH」と線分の長さの和が等しいことを証明する問題
証明問題では珍しい、線分の長さの和が等しいことを証明する問題です。方針を立てるだけでも時間をとってしまう可能性があります。
ポイントはDP+PFの長さを他の線分の長さで表すことです。また、線分の長さが等しいことは三角形の合同で示すことができます。
②証明の際に補助線を引く
図形問題で一番難しいのが、補助線を引くことです。引き方一つで、図形が大きく変わっていきます。今回は、垂線を引くことで証明が可能となります。
補助線を引くポイントは、垂線や平行な線など特殊な線になることが多いです。先ずは、垂直、平行な線から攻めていければいいと思います。
次に1小問集合問題、2関数問題、4空間図形問題でそれぞれの大問で点数の差が出たと思われる問題を挙げていきます。
1小問集合問題 問2 連立方程式の計算
昨年と同様に分数と小数の混じった連立方程式になります。38/133=2/7に約分できることに気づけるかがポイントになります。
2関数問題 問2 二等辺三角形になる条件(記述)
記述問題です。場合分けが必要になります。しかし、問題文中に「OB=ABの場合を除く」と書いてあることから、場合分けが必要であることが予測できます。
解法には2点間の距離を三平方の定理を利用して解いていきます。座標における2点間の距離を公式化していると、記述スピードは一気に速くなります。
4空間図形問題 問2 条件を満たしているときの線分の長さが等しいことを説明する問題(記述)
記述問題です。この問題ができると、次の問3に繋がり、高得点が狙えます。垂線の長さを求めるので、三平方の定理が使えそうですが、今回は、求めたい線分を立体の高さとみて、体積から方程式をつくり、解いていきます。この解き方は、図形問題でよく使われるので、対応はしやすいと思います。
上記の3問に共通して言えることは、解く問題の難易度が高いわけではなく、計算が複雑で多いということです。複雑な計算を早く、正確にできるように日頃からの計算トレーニングが点数を取れるかどうかのポイントになります。