中間テストの問題を拝見したときにいつも感じることは、下記のようなことです。
「あ、やっぱりこの問題が出たのか」とか、「なるほど、この問題をこうやって出題するのか」といった感想や、学校の先生の創意工夫する問題に対する敬意など、いろいろな所感を感じます。
その中で、生徒の解いた解答欄を見て、喜ばしいことを書かせていただきます。
中間テストの返却された答案を見たときでした。
私はまず最初にチェックすることは、答案の点数は当然ですが、それ以外にいかにその答案に対し、生徒が「一心不乱にひたむきに字を書いているか」ということを見させていただきます。
自分自身の塾講師経験で一番感じることは、生徒が「どんな思いで試験に臨んでいるかということがいかに大切か」ということです。
本当に嬉しかったです。それは生徒の「丁寧に正確に解答欄に書いている答案」を見たときでした。
「いいかい、この問題を解くことも大事だが、もっと大事なことは解き方なんだよ。なおかつ、答案は一つのラブレターと同じだ。丁寧に正確にそして一生懸命ひたむきに書くことが大事なんだ。一語一句、そこには自分の思いがにじみ出るんだよ。書くという行為は、その人の人間そのものを表現するものなんだ。」ということを、授業時に何度もお話してきました。
答案には、実をいうと採点者に対する「思いやり」があるかどうかが、私はとても大切だと思っています。そしてその「思いやり」のある答案をものの見事に書いている生徒がいました。
不思議なものです。一瞬で答案からその生徒の試験に対する「思い」がにじみ出ているのです。一見同じような解答や同じような記述に書かれているように見えて、その人物の性格や考え方が、答案ににじみ出ているのです。
授業時話していた答案に対する考え方を、生徒が実践できたことに大変喜びを感じました。
生徒たちに一番伝えたいことは、「すべての振る舞いはその人間のすべてを表す」ということです。そしてそのことこそが、試験官は見抜いてくるのです。