本番においての試験力

勉強に向かうとき、誰にでも「ちょっと苦手だな」と感じる教科や単元があります。ですが、多くの子どもたちは、それがどの部分なのかをはっきり言葉にできず、漠然とした不安を抱えたまま進んでいることがあります。私たちはまず、その“ぼんやりした苦手”を、「どこでつまずくのか」「どんな場面で止まってしまうのか」といった形で、ひとつひとつ確かめていくことから始めます。
たとえば、英語が苦手だという子がいたとしても、それは「並べかえ問題で迷う」「三単現のsを忘れてしまう」といった細かいポイントの積み重ねかもしれません。数学で「文章題が苦手」と感じている子も、「式の立て方がつかめない」「言葉を数字に変えるのが難しい」など、理由はさまざまです。苦手をこのように小分けにして見ていくと、「全部がだめなんだ」と感じていた気持ちが、「これなら少しずつ進めそうだ」という前向きな手ごたえに変わっていきます。
また、苦手な教科に取り組もうとしたとき、何から始めていいか分からずに手が止まってしまうことがあります。そんなときには、「まずは1問だけ解いてみよう」「今日はこの1ページだけでいい」というように、小さく始めるきっかけをつくってあげることが大切です。最初の一歩が重すぎなければ、子どもは自分から自然に動き出せるようになります。私たちは、苦手をがむしゃらに克服させるのではなく、「始めやすい入り口」を用意し、少しでも進めたことをしっかり認めることで、自信が積み重なるサイクルを大切にしています。
さらに重要なのは、「自分の変化に気づけること」です。たとえば、「前はまったくできなかった計算問題が、今では2問に1問は解けるようになった」と気づけることは、大きな意味を持ちます。それは誰かに褒められるよりも、自分で自分の成長を感じ取れたという実感だからです。
こうした取り組みが続くと、「この教科が苦手だから」とざっくりした不安を抱えていた状態から、「この部分を少しずつ改善しているんだな」と、子どもの努力が目に見えるかたちで伝わるようになります。
学ぶということは、うまくいかない瞬間を含んでいるものです。けれど、そこに立ち止まりながらも、少しずつ前へ進んでいくことに意味があります。私たちは、その歩みに寄り添いながら、「昨日より少しできたこと」を一緒に確かめていきたいと考えています。苦手があるということは、まだ伸びしろがあるということ。焦らず、一歩ずつ。その歩みのなかにこそ、子どもたちの確かな成長があります。

 

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