英文法と国文法の違い
入試においての得点率アップとして、国語の物語文、論説文、英語においての科学技術文、物語文の速読読解能力が大切になります。
テーマを見つけ出す本質的な考え方と、前後の文章を正確に読み取る力が、読解能力の基盤となります。
そしてその基盤の基本的要素は、文法となります。
日本は、中国文明とアメリカという西洋文明の両方に挟まれた風土となっています。国文法と、ギリシャ文明に影響された英文法という文法体系の違いを理解することは、正確に読み取る力において最も肝要なこととなることは間違いありません。
これら二つの言語体系は、それぞれ独自の歴史と文化的背景を持ち、その結果として異なる文法構造を発展させてきました。主な違いを探ることで、言語がいかにその話者の文化と密接に関連しているかを理解することができます。
まず、言語の根本的な構造に注目します。英語はインド・ヨーロッパ語族に属し、主語-動詞-目的語(SVO)の文型を主に取ります。一方、日本語は日本語族に属し、主語-目的語-動詞(SOV)の文型が一般的です。この基本的な文の構造の違いは、両言語の文法体系の多くの側面に影響を与えています。
次に、時制とアスペクトの表現方法の違いを見てみましょう。英文法では、時制が非常に重要で、現在、過去、未来といった様々な時制が厳密に区別されます。これに対し、日本語の国文法では、時制よりもアスペクト(行動の完了や継続などの側面)が強調されます。また、英語の進行形や完了形といったアスペクトの表現は、日本語には直接的な対応がないことが多いです。
助動詞の使用においても両言語は異なります。英文法では、助動詞が豊富で、様々なニュアンスを表現するために用いられます。一方、日本語では助動詞はより限られた用途で使用され、主に敬語表現に役立てられます。
また、英文法には明確な冠詞(a, an, the)が存在し、名詞の特定性や数を示しますが、日本語にはこのような冠詞が存在しません。これは、英語と日本語の間で名詞を扱う方法が根本的に異なることを示しています。
関係代名詞の使用も大きな違いの一つです。英文法では、関係代名詞が複雑な文の構造を作るのに重要な役割を果たしますが、日本語では関係節の構造が英語とは大きく異なり、関係代名詞に相当する概念が存在しません。
これらの違いは、英語と日本語が異なる文化的・歴史的背景を持つことから生じています。言語は単なるコミュニケーションの手段に留まらず、その話者の世界観や文化を反映しており、これが文法の違いとして現れるのです。英文法と国文法の違いを理解することは、単に言語学的な知識を深めるだけでなく、異文化理解の窓を開くことにもつながります。