勉強に向かうとき、ただ机に向かって問題を解くのではなく、「どこを目指して、なぜその勉強をしているのか」を子ども自身が理解しているかどうかが、学びの深さを大きく左右します。目的のない勉強は、時間だけが過ぎてしまい、成果につながりにくいものです。反対に、「今回は数学で〇点を目指す」「理科は計算分野を仕上げたい」といった具体的な目標があると、日々の勉強が一点に向かってまとまり、行動にも自然と集中が生まれてきます。私たちはまず、「何を目指すか」を自分の言葉で整理し、そこから“学ぶ流れ”を設計する力を、丁寧に育てていきます。
試験勉強の出発点として大切なのは、「やるべきことが見える状態」にしておくことです。学校から渡される試験範囲表をただ見て終わるのではなく、教科書・ワーク・ノートなどの対象箇所を、頭と目で整理することから始めます。「今日はこの単元のここまで」といった具体的な到達点が見えていると、心にも落ち着きが生まれ、勉強のリズムが安定していきます。とくに中学生にとって、手が止まる瞬間の多くは「何をすればいいかわからない」ことが原因です。その不安を、見通しと計画でやわらげることが、試験勉強の第一歩となります。
また、どの教科にも同じように取り組むのではなく、科目ごとの特徴を理解して“学び方を切り替える”ことも重要です。たとえば英語では、文法の理解と英作文の組み合わせが求められますし、理科では語句の暗記に加えて、計算問題や資料の読み取りといった応用が必要になります。社会では、歴史の流れと地理的なつながりを同時に捉える力が問われ、国語では本文理解と文法知識のバランスが試されます。これらを知らずにすべてを「暗記型」で進めてしまうと、定着も浅く、点数につながりにくくなります。私たちは、教科ごとの“学びの土台”を一つひとつ整えながら、その子に合った勉強の方法を一緒に見つけていきます。
「ちゃんと授業を聞いているのに点が取れない」「ワークはやっているのに成果が出ない」といった声は、保護者の方からもよく寄せられます。その多くは、勉強の“入り方”や“使い方”が整理されていないことに起因しています。ただ書いて終わるノート、見直さずに済ませるワーク──そうした行動を見直し、「この用語、どう説明する?」「なぜこの式になるの?」と問い直すことで、インプットが実力として定着し始めます。自分の言葉で説明できるレベルまで理解が進めば、試験本番でも落ち着いて力を発揮できるようになります。
学びは、始め方で大きく変わります。どこを目指し、どの順で積み上げていくか。その設計図を子ども自身が描けるようになることで、勉強は“やらされるもの”から“手応えのある行動”へと変わっていきます。私たちは、その準備を支えることから、定期テスト対策を始めています。焦らず、でも確かに前へ進む。その一歩を、目的と土台を整えるところから踏み出していくのです。
定期テスト対策を重視する方へ(小平、東大和南等)
考える力のしくみ
答えにたどり着く道
本番においての試験力