答えにたどり着く道

勉強は、一度やったことがそのまま得点に結びつくものではありません。「ワークは全部やったのに」「覚えたはずなのに」という悩みが残るとき、その原因の多くは「どこができなかったのか」を十分に見直さないまま、次に進んでしまうことにあります。私たちは、学びの結果を“気づき”として受け止め、そこから“組み直し”を図る力――言い換えれば、学びを自分でつくれる力を育てていきます。
たとえば、定期テストで間違えた問題があったとき、「これは苦手だったから」「時間が足りなかった」といった一言で片づけてしまうのではなく、「どの知識が抜けていたのか」「どの段階で判断がずれたのか」「どの順番で考えればよかったのか」と、一つずつ分解して見直す力が大切です。知識が足りないなら補えばよい。考え方がずれていたなら順序を整理し直せばよい。ミスの原因を“分類する視点”があるかどうかで、次の取り組みの密度はまるで変わってきます。
私たちは、問題の解き直しを“単なる再挑戦”ではなく、“自分の思考をたどり直す機会”と捉えます。たとえば、英語で文法問題を間違えたとき、「be動詞だったのに一般動詞の文を書いてしまった」ことに気づけるかどうか。理科の計算ミスが「公式の当てはめミス」だったのか、「単位の換算ミス」だったのか。そうした“ずれの種類”を意識して記録し、自分で説明できるようになることが、得点力の安定につながっていきます。
また、成績が上がらないと感じたとき、見直すべきは「勉強時間の長さ」ではなく、「順序と配分の設計」であることが少なくありません。「得意な教科ばかりに偏っていなかったか」「暗記と演習のバランスが崩れていなかったか」。テストまでのスケジュールの中で、どの単元をいつやるか、どの順で復習するかといった設計力もまた、成果を支える重要な要素です。子どもたちがその設計を“自分で見直し、組み替える”力を持てるよう、日々のふり返りの中で支援を行っています。
こうした思考の可視化と調整の習慣が育ってくると、「がんばっているのに伸びない」という状況の中に、静かな変化が見えるようになります。「ただやり直しているだけ」から、「次に向けてやり直している」学びへの転換。それは、結果だけを見て一喜一憂するのではなく、過程の中に価値を見いだせる視点でもあります。
学びには、行き詰まりやミスがつきものです。しかし、そのときに必要なのは、焦って次へ進むことではなく、自分の思考をもう一度なぞり直し、修正していく力です。私たちは、ただ知識を教えるのではなく、子どもが“自分の学びを構築し直せる力”を育てることを大切にしています。

 

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