なぜ彼は定期テストで480点を取り、第一志望校に合格したのか
入塾してから定期テストの5教科合計点数が300点と平均点ぐらいの生徒が480点までにアップし、あきらめていた第一志望校に合格した生徒。彼は、塾でどのような勉強、対策をして、定期テストに点数アップと第一志望校への合格を勝ち取ったのでしょうか。
①入塾
彼と初めて会ったのは、中学1年生の夏休みが終わってすぐに行われる9月初旬の前期期末試験(当時東村山市では二期制で9月の初旬に期末テストが行われていました。)の後でした。
中学に入学してから今までは、自分自身で勉強をしていました。6月に行われた前期中間テストにおいては、自分自身で対策を立てて臨み、5教科合計で400点を獲得していました。
しかし、夏休みに入り、部活動の時間が増えてしまい、勉強時間の確保が難しくなったので9月の前期期末テストの勉強はテスト休みのわずか1週間で臨むことになりました。
結果は5教科合計で100点ダウンの300点でした。対策時間が少なかったことに加えて、テスト内容が難しくなり、解けない、わからない問題が増えてきた、このままではどんどん成績が下がってしまい志望していた高校の受験すらできないと危惧し、塾にやってきました。
始めて会った彼の印象は、素直で真面目な性格でした。また部活動をしているので礼儀正しい生徒でした。しかし、今回のテストでダウンしたショックなのか、ネガティブな発言が多く、覇気がない様子でした。
恐らく彼にとって初めての挫折であり、どのようにして克服するのかがわからない状態なのだと思いました。素直で、真面目な性格なので取り組み方、しっかりした対策を行えばきっと成績を元に戻せるし、彼の自信が戻れば、今まで以上の成績を残すことが可能だと思いました。
まずは、彼の失った自信を取り戻すために、11月に控えた後期中間テストへの対策を考えていきました。
②最初のテストに向けて
入塾してから1ケ月後には後期中間テストが控えており、塾に慣れる暇もなくテストに向けた対策を行いました。
しかし、彼にとっては初めての塾でもあり、また部活動もしていたので、部活動との両立や生活リズムに合わせるのが大変そうでした。そして、真面目な性格なので、塾に入ったからには成績を残さなければと、活き込んでもいました。
このままでは、気持ちだけが空回りしてしまう思いました。そこで、まず、コミュニケーション、個人面談を通して、彼の情報の収集から入りました。
勉強のことはもちろん、部活動や学校生活、関心のある事、将来の夢などを聞いいきました。
すると、彼がなぜ中学1年生から塾に入ったのか、それは国分寺高校への進学を考えていたからです。国分寺高校は旧9学区ではトップの高校であり、入試問題は自校作成問題になっています。合格するためには、英語・数学・国語の対策が重要になります。
前期期末テストでは数学の点数が極端に下がってしまい、早いうちに対策をしたかったということです。彼自身、この後期中間テストでは、数学の点数アップと苦手意識の克服が第一の目標となりました。
彼自身もはっきりとやりたいことを伝えたことで、落ち着きを取り戻し、集中して後期中間テストへと気持ちを向けられるようになりました。
後期中間テストの目標達成のために、数学の分析・対策から始まりました。
③苦手克服
後期中間テストに向けて数学の点数アップのためには、前回のテストの間違えから彼の苦手分野の克服し、彼の自信を取り戻さなければいけません。
最初に、前回の解答用紙を見て分析から入りました。一番間違えが多かったのは「速さ」に関する問題でした。そして、さらに掘り下げていくと、単位変換が苦手でした。
速さから単位変換へと繋がったのは、速さは「時間」、「道のり」、「速さ」の3つが関わりあっていきます。
(速さ)=(道のり)÷(時間)、(時間)=(道のり)÷(速さ)、(道のり)=(速さ)×(時間)
という式が成り立ちます。問題に合わせて、上記の3式から求めていきます。そこで気を付けるのは、単位変換になります。
具体的な例題を挙げると
例題:A君は分速amで走ります。10㎞を走り切るには何時間かかりますか?
×:(時間)=(道のり)÷(速さ)より 10÷a=10/a時間
上記の解答には間違えが2箇所あります。
まずは分速amと10㎞の所です。単位がmと㎞になっているので、ここで10㎞を10000mに変換します。(1㎞=1000m)
そして次に、分速で計算したので、上記の計算で求められる時間の単位は分になります。10/a時間ではなく、10/a分になります。なので、10/aからさらに60で割ります。(1分=1/60時間)
正答は
◯:(時間)=(道のり)÷(速さ)より 10000÷a÷60=1000/6a=500/3a時間になります。
彼は、「速さ」の式は立てられますが上記の単位変換までは行っていませんでした。なので、まずは時速から分速、mから㎞、時間から分など単位変換の問題から徹底して行いました。
すると、彼も速さ問題で一番注意することは単位変換に注意することと認識し始め、単位変換による間違えが少なくなってきました。正答率が上がってきて、さらに今までただ漠然と公式に当てはめて速さの問題を解いていたのが、理解をして解くようになってきたので彼にも自信が戻ってきました。
そして、数学の点数アップに向けて、後期中間テストの範囲に入っていきました。
続く