2022年 入試講評 国立高校 

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 一番注意することは、計算の途中式

問1 平方根の計算

昨年と同じく平方根の計算になります。計算問題は速く、正確に、簡単に解くのがポイントになります。この問題も、乗法公式、因数分解を使い、計算を工夫することで速く、正確に、簡単に解くことができます。

問2 連立方程式

問2も、昨年と同じ分数の混じった連立方程式が出題されました。分数のみなので、最小公倍数を掛けて、分母を払うことだけを考えるのでなく、すぐに加減法ができるようにかけることで、時間短縮が図れます。

問3 2次方程式

昨年と同じく2次方程式の計算です。この問題は置き換えをすることで、計算が少なくなり、時間が大幅に短縮することができます。普段の計算練習から、いかに速く、正確に、簡単に解くかを考えながら練習することが大切になります。

問4 確率

昨年と同じく確率の問題ですが、昨年の3変数の確率から2変数の確率になりました。要素の数が増えたことで、場合の数が増えました。数え間違えがないように、丁寧に計算することがポイントです。

問5 作図

図形の性質の作図でした。角の二等分線から角の二等分線と線分の比につなげられるかがポイントでした。作図問題は、角の二等分線や垂線、垂直二等分線のかき方だけでなく、図形的性質もしっかり押さえておくことが正解への近道です

 

 入試問題の常連問題 座標、変域、最大値最小値

問1 2次関数 変域

昨年と同じく変域の問題でした。しかし、昨年は比例定数を文字でおいての出題でしたが、今年はxの範囲を文字でおいた問題でした。解き方は原則同じですが、文字の範囲に注意が必要です。

問2(1)座標を求める問題(記述)

昨年は三角形の面積の記述問題でしたが、今年は条件を満たしたときの座標を求める問題でした。今年の問題は、グラフの中に描かれている放物線、直線の数が多く、使われている文字の数も、昨年の倍になっており、正確に把握することが大切です。この1問の中に、関数問題で必要な、直線の式、平行な直線の式、直線と放物線の交点、等積変形、2次方程式と全ての項目が含まれており問題の内容としては良問です。そして、ここの記述問題の分岐点は2次方程式の解法で、高校数学で習う、たすき掛けを使うことで、速く、正確に解けるので、計算ミスをする可能性が一気に減らすことができます。

問3(2)三角形の面積の和の最小値

他の自校作成や問題集などあまり見ない問題パターンですが、三角形の面積や文字式など方針は立てやすい問題です。文字が多いことで、計算ミスをしてしまう可能性があります。注意しながら解くことがポイントです。また、自然数など細かいところにも注意が必要です。

 

 知っているだけで大得する メネラウスの定理

問1 角度を求める問題

昨年と同じく角度を求める問題が出題されました。角度の問題は、補助線を引くことで正解に近づきます。今年の問題は、例年と少し違うのは、「弧の補助線」を引くことです。弧の補助線を引き、円周角の定理、図形の性質(二等辺三角形の底角:円周角では頻出)を用いて解きます。補助線というと、点と点を直線で結ぶイメージが強いですが、円や弧の補助線も解法の一つの方法になります。

問2(1)線分の比を求める問題

国立高校は例年、問2(1)は証明問題、(2)に線分の比や長さが出題されていますが、今年は順番が逆になっていました。線分の比の問題は、相似な三角形や平行線と線分の比を複数組み合わせながら解いていきます。この問題も、3つの相似な三角形を使うので、見つけ出すのに時間が少しかかってしまいます。そこで、高等数学のメネラウスの定理を使うと、解く時間が大幅に短縮できることができます。

問2(2)平行四辺形の証明(記述)

平行四辺形の証明が出題されました。平行四辺形の証明問題は、あまり出題されたことがありませんでした。平行四辺形の条件は5つあり、どの条件を使うかを見つけるのが難しい問題です。また、この証明問題も問1と同じく、補助線を引くことが大きなポイントになります。

 

 時間配分の大切さ ラスト問題

問1(1) 体積の条件を満たす線分の長さを求める問題

立方体内にできる三角錐の体積の大きさが、全体の1/10になるときの、線分の長さを求める問題です。2次方程式を立てて求めます。解き易い問題なので、油断せずに解きます。

問1(2) 線分の長さの条件を満たすときの面積(記述問題)

線分の長さが最短のときの三角形の面積の和を求める問題でした。直線の最短が一直線であることが分かれば、三平方の定理、2次方程式を組み合わせて解くことができます。しかし、記述問題で、設問には「図や途中の式をかけ」とあるので、空間図形から平面図形への書き換えも重要になります。

問2  体積の条件を満たす線分の長さを求める問題

立方体から2つの三角錐の体積が同じときの線分の長さを求める問題でした。三角錐の形を正確にイメージできるかが、解法のポイントになります。三平方の定理を利用してと2次方程式を立てて求めることができます。

 

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1.共通入試、自校問題 問題は同じ チャンスカード

リスニングは問題Aと問題B からなり、問題Aは3問、問題Bは2問で合計20点でした。問題Aは対話文の小問で、4つの選択肢から適切なものを選ぶ問題でした。問題Bはスピーチのリスニングで、選択肢から選ぶ問題と自分で考えた英文を記述する問題でした。

2.大切なことは、登場人物、ストーリーの流れ

テーマは気候の変動についての問題について、複数の生徒の会話文の文章です。理科系の知識を必要とする内容の文章が、国立高校では多く出題されます。環境問題にスポットを当てた文章は頻出です。並べかえ英作文が出題されています。主語の長い英文を作文する必要があり、また、選択肢の単語の並び方が誘導的だったため、引っ掛けにかからないよう注意する必要がありました。問7は本文中から語句を探し出して答える問題でした。

3.速読と精読、そして英語と日本語の文章変換能力 さすが国立高校

二つ目の文章は物語文で、ある少女が迷い子の子猫を拾い、元の飼い主に返すまでの心の葛藤がテーマになっています。相手の感情を推し量り、自分の心の成長を実感する内容を、細かな表現や主人公の思いなどを読み取りながら読み進める必要があります。問2は空所に適語を埋める問題で、本文をよく読んで、正しい言葉を探す問題でした。問5は英作文で、20語程度の英文を二つ書く問題でした。問6は本文内容一致問題、問7は発音問題でした。

 

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1.絶対に落とせない漢字 さりげなく100点を目指す

読みの問題は、難しい読み方の漢字、「結う(ゆう)」や「役務(えきむ)」、「頑是ない(がんぜない)」などが出題されました。

書きの問題は、漢字そのものは小学生時に習う漢字ですが、語句の意味をしっかりと押さえないと、正解にはならないので漢字練習だけでなく語句の意味も練習していくことが大切です。

2.登場人物の心情描写をどれだけ読み取るか? 武田綾乃『君と漕ぐ4』

小説文の問題は、カヌー部の高校生の、友達とのやり取り、レースを描いた問題です。登場人物の心情描写はわかりやすいものでした。選択問題と本文から文章を抜き出す問題でした。主人公の行動や発言についての問題や表現の説明問題、空所抜き出し問題などは例年と同じでしたが、最後の問題で新傾向問題で生徒同士の対話文のなかの空欄を埋める形式の問題が出題されました。

3.毎年出題される哲学文 大切なのは西洋思想 品川哲彦『倫理学入門』

論説文は、哲学に関する文章で、ヒューム(イギリスの哲学者)による「共感」についての文章でした。哲学的で抽象的な内容です。線部の説明選択問題や空所補充抜き出し問題、文章構成問題はほぼ同じ出題形式となります。問7の条件作文問題は、昨年の「自分の考え」とは違い、「共感」について、「具体的な事例」を挙げながら説明しなければなりませんでした。具体的な事例がすぐに考えられるかが、重要なポイントとなります。

4.日本人の大切な美意識は、超頻出 山口謡司『〈ひらがな〉の誕生』

古文は、「ひらがな」の美意識についての文章です。『徒然草』をもとにして論旨を展開しています。文章が例年に比べると短く、古文と現代語訳がはっきりと比較できる文章でした。記号選択問題が5つで、問題のヒントは文章から見つけやすい問題でした。問4の問題で熟語の構成問題が出題され、文章だけでなく、漢字の知識も出題されました。