2021年度筑波大学附属駒場高校 英語2⃣解説(3)

“Now it’s a fine blanket, isn’t it?” said the old man.  “And your father is a kind man to give me a nice blanket like this to go away with.  There will be no other blanket like it up there.”  Granddad always said it was his idea.  Imagine – leaving a warm house and friends to go to that building, that government place with so many other old men.  But Peter could not really believe Dad would do it… until this morning – he brought home the blanket then.

上記の英文を通して、上から2行目の 「up there とは何を指しているのか」という問いです。

thereにupをつけることによって、まどろっこしくしていますが、単なるthereという意味として考えてよろしいと思います。

問い一つでも、「何かしらの飾り」をつけて、「言葉の本質」を見えにくくしていますが、そんなところで驚いてはいけません。

少しお分かりになってきたでしょうか?筑駒は平易な言語に飾りや構成を変えることによって、難解な文章に見えるようにしていますが、そういったフレームを取っ払うと、とても分かりやすい英文が浮かび上がってくるのです。

答えは、このup thereは、that government place with so many other old menを指しています。

指示語の問題は、たいがい後段3行以内にあるので、当たり前といえば当たり前なのですが、that government placeという仰々しい単語によって、またもやわかりづらく感じさせるところが、この問題の作り方なのです。

たとえて言うなら、老人ホームをnursing home an old people’s home an old men’s homeというような単語を使っていれば、想像しやすい言葉なので、この問題文が簡単に思われると思います。しかし、筑駒はあえてそのような単調な言葉を使わずに、that government placeという言葉を使っています。

どれだけ語彙、同義語を知っているか、もしくは書き換えができるのか?問題というのは、「ただ難解な単語を覚えること」や、「工程の多い文章問題を解くこと」だけが、能力ではないというメッセージが含まれていると思います。