素数とは何か

素数とは、１と、自分自身を除いた整数で、割り切ることのできない自然数のことです。

例えば、23は余りを出さずに23を割り切れる数は、1と23しかないので素数です。しかし、22は、11と2で割ることができるので素数ではありません。

素数以外の自然数は、すべて、素数をいくつか掛け合わせてできます。（素因数分解）素数は数学の組み立てブロックと呼ばれています。

素数の未解決問題

素数は、ランダムに出現します。数学者たちは、素数出現の法則を見つけようと長年、研究してきましたが、成功していません。法則がないので、素数は1個1個探していくしかありません。

そして、今もなお数学者はコンピュータを使って、新しい最大素数を求めています。

現在発見されている最大の素数は2018年現在で4673331833592310999……

桁数でいうと2324万9425桁になります。

その中には不思議な素数も発見されています。

例えば、73939133は後ろからいくつ数字を取り去っても、残った数は素数になります。このような性質を持つ素数としては、73939133は最大の素数になります。

生活の中での素数

素数を掛け合わせることは容易ですが、その逆の「素因数分解」（数を素数のかけ算であらわすこと）は難しく、300桁を超えるような大きな数では事実上できません。素数は破られることのない秘密暗号に適しているのです。

インターネットでお金を使うとき、送った情報はそのように作られた暗号によって隠されています。その暗号の”錠前”は１個の巨大な数であり、”鍵”はその数の素因数になります。

自然の中の素数

昆虫の中には、身の安全のために素数を利用している昆虫がいます。周期ゼミと呼ばれるセミです。このセミは13年か17年を、土中で、木の根を吸いながら幼虫として過ごします。それから成虫になり、地上に群がり出て、つがいになります。13と17は素数ですから、それより小さい数の倍数になりません。その結果、ライフサイクルが2年や3年の捕食しようとする生物は、このセミの大量発生に居合わせることがほとんどできないので、安定して子孫を残すことができます。