思考のスイッチ

子どもたちの学びには、それぞれに異なる時間が流れています。教科ごとの得意・不得意だけでなく、理解のスピードや集中の波、話すことが得意な子、静かに考えたい子。そうした違いがあること自体は当たり前のことですが、実際の集団授業の中では、その「当たり前」がこぼれてしまうこともあります。塾に通ってはいるけれど、どのコースにもしっくりこない。難関校を目指すにはまだ距離がある。でも、定期テスト対策だけで十分とは思えない。そうした“ちょうど真ん中”にいる子どもたちに、学びの場はなかなか用意されていないのが現実です。
私たちの個別指導は、そうした“まだ形になりきらない力”と向き合う場所としてスタートします。この子はまだ判断がつかない。将来どの進路に進むのか、何を目指すのかも、明確ではない。でも、だからこそ今、“迷っているままでも学び続けられる場”が必要なのです。塾という場は、ともすると「どのコースかを選ぶこと」から始まってしまいがちです。しかし子どもによっては、その前段階――自分の輪郭を探っている時間にこそ、もっとも静かで大事な成長があるのです。
個別指導という形には、学力の穴を埋める機能ももちろんあります。でもそれ以上に、「今どこに立っているのか」「どこなら少しだけ前に進めるか」を一緒に見つけていく、微細な手応えの積み重ねがあります。ここでは、速さも、強さも求められません。誰かと比べて勝った・負けたを判断されることもありません。だからこそ、自分の言葉で「今日はここまでできた」「ここがまだ苦しい」と語れる時間が生まれます。
保護者の方にとっても、「どのクラスが合っているのかわからない」「今、どれくらい頑張れているのかが見えない」という不安があるかもしれません。その不安は、子ども自身も同じように抱えていることが多いのです。そして、そうした不安が見えない形で積もると、学ぶ意欲や自信の芽を静かに曇らせてしまうこともあります。私たちは、そうした不安を取り除くのではなく、一緒に置いておける場所として、個別指導の時間を開いています。
学びには段階がありますが、それは一律のカリキュラムで測れるものではありません。今はまだ言葉にならない違和感や、うまく伝えられない迷いの中にいる子どもたちにとって、「あなたの今のままで、向き合っていいんだよ」と伝えられることが、最初の大切な支えになると私たちは信じています。個別指導とは、“どこかに合わせるため”の手段ではなく、どこにいるかを確かめる時間なのです。その時間があるからこそ、子どもは次の一歩を、自分の力で踏み出せるようになります。

 

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