あけましておめでとうございます。
2020年度の都立日比谷高校の国語論説文④は、養老孟子先生のAI無脳論が出題されました。
問5においての問題文 「果たして『人間の情報化』のいきつく先に、人間が本来求めている世界はあるのでしょうか。」
ということについて、説明せよという問題が出題されました。
前提として考えるにあたって、日本という国は、日本哲学史という学問がありません。
その代わり、日本思想史という学問があります。
この日本哲学史がなく日本思想史があるという事実が、大多数の生徒たちが論理文を不得手となる要因となります。
産業革命が起きることによって、独仏英学者は、「人間というものを機械化」していくことに対し、非常な危機感を覚えました。
「時間でもって労働生産量を測る」、確かに利益は上がりますが、「人間の存在」というものに対し、あらゆる独仏英学者は改めて注目しました。
現代社会においての情報革命は、まさに19世紀の産業革命に大同小異似ているといわざるを得ません。
日本の産業革命は、欧米より100年遅れたことにより、哲学が完成されないままに、明治維新が起きました。
養老先生の「人間の情報化のいきつくところ」という問いに対し、生徒たちが不可思議になるのは当たり前だと思います。
今回は、このことについては、連載していきたいと思います。