Granddad played a little and said, “You’ll remember this one.”
“This is the last time,” Peter thought. He would never hear Granddad’s harmonica again. Dad was moving to a new house – away from here. It was not bad, because he did not want to sit here outside on fine evenings under a white moon without Granddad. The music ended, and the two sat for a few minutes in silence. Then Granddad spoke. “Here is something happier.”
Peter sat and looked out over the mountains. Dad would marry that girl. Yes, that girl who said she would try to be a good mother to him.
The song stopped suddenly and Granddad said, “It’s a poor song, if you are not dancing to it.”
上記5行目のHere is something happier.の内容を説明するという問題です。
思わず「落ち着いて、落ち着いて」といわざるにいられない問題文です。
思わずThen Granddad spoke.という文章から、「祖父が話したことについて」が書かれているのではないか、と思わざるにいられません。
しかし、そこが作題者の仕掛けなのです。
「解答は、前後文に絡んでいる」、という先入観が、誤答に導いていくのです。
「Granddad played a little and said,」この文章が、このすべての文脈の最初のキーワードです。
祖父は、少し弾いた。そして、The music ended,につながり、Here is something happier.が真ん中になります。
3段下の文章に、The song stopped suddenlyという文章が最終尾ともっていきます。」
「祖父は、少し弾いた。その音楽は終わった~で、最後がその曲は突然止まった。」ということは、「Here is something happier」.は、「こちらの曲は明るい」というような文脈となります。
前後文でなく、まさに文脈を読み取る力が大切となります。
しかし、この文章の仕掛けは、最後にもあります。
その言葉が、It’s a poor song,という文章です。happyとpoorが混同し、解答者が「錯乱状態」に落とし込む仕掛けとなっています。
祖父は、「明るい曲」と思っているのですが、「もしもPeterが踊らないなら、その明るい曲はつまらない曲に変身すること」に、祖父は危惧しています。
人間の心理描写が細やかに描写されることによって、表層的に問題文を翻訳していく解答者にとっては、「ストレスの連続」となることでしょう。
問題を読み取るということは、ただ言葉を翻訳するのではなく、「人間の感情や心理についても、詳しくならなければならない」のです。
筑駒は、あえてhappyとpoorという言葉を羅列することによって、人間の万華鏡のような心理描写を描いたのです。